生涯乙女宣言者であるひなぎくの読んだ本をご紹介★
乙女的ではない本もたくさんありますので
乙女ではない方にも楽しんでいただけると思います(•´ω`•)

犬のしっぽを撫でながら/小川洋子

ちょっとした病気で入院した。


そんな私がお供に携えた本は

荒俣宏さんの『レックス・ムンディ』
柳田国男さんの『遠野物語』
妹から誕生日にもらった

『ルイス・キャロル解読 不思議の国の数学ばなし』。


この3冊を気分によってつまみ食い。

 

 

 

ルイス・キャロルを数学的に考察するのも楽しいし
柳田国男さんの流麗な文体に浸るのも心地良い。

 

ある日物語が読みたくなって
病院内の図書館を覗いた。
図書館と言っても低い棚が10列ほど並んでいるだけの、どちらかというと待合室のような規模。

それでも入院期間中には読みつくせないほどの
物語が眠っているというのがなんだか不思議に思う。

 

図書館へ一歩踏み込むと

大量の文章の渦に飛び込むような

感覚におそわれて気持ちが良い。


小川洋子さんの本を2冊見つけた。
『犬のしっぽを撫でながら』と
『いつも彼らはどこかに』。

 

『犬のしっぽを撫でながら』は

物語ではなくエッセイだった。

物語を読みたかった私だったのに

透明な文章の力で本の世界に

フワッと一気に引き込まれた。


彼女の文章はよく磨かれたガラスのように

無機質で清潔な心地がする。

夢の中にいるような感覚になる。

 

 

 

パリに留学していた頃に
『薬指の標本』と出会ってから以降、

彼女の文章は私を夢中にさせた。

 

夢日記を開いて夢を追体験するような
現実味のない世界観が快感。

 

しかし『博士の愛した数式』の映画が

大ヒットしたときに

なぜか夢から覚めたような心地になってしまい
彼女の本を探すのをやめてしまった。

 

しかし久々に覗いた彼女の世界はやはり素晴らしかった。

エッセイなのに非現実的な空気をまとい
ふわふわとした世界が広がっている。

 

 

 

テクニックではなく魔法なのかもしれない。

片づけても片づけてもなぜか減らない本たちを
「むしろ逆に私の手が入って

 隙間から空気が侵入し、

 膨張しているようでさえある」

と表現できるのは彼女だけの感覚だ。


そんな彼女だけが生み出すことのできる

言葉の魔法を享受できる世界にいるという

幸せをかみしめながら
真っ白なシーツの上に横たわっている。

 

彼女の世界観の心地よさを思い出して

またほしくなっている自分がいる。

 

数学に関する項で出てきた

『天才の栄光と挫折 数学者列伝』
という本も読んでみたい。

 

 

 

 


 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

暮らしをおトクにかえていく|ポイントインカム