錦繍改版 (新潮文庫) [ 宮本輝 ] |
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
「前略 蔵王のダリア園から、ドッコ沼へ登るゴンドラ・リフトの中で、
まさかあなたと再会するなんて、本当に想像すら出来ないことでした」
運命的な事件ゆえ愛し合いながらも離婚した二人が、
紅葉に染まる蔵王で十年の歳月を隔て再会した。
そして、女は男に宛てて一通の手紙を書き綴るー。
往復書簡が、それぞれの孤独を生きてきた男女の過去を埋め織りなす、愛と再生のロマン。
【著者情報】(「BOOK」データベースより)
宮本輝(ミヤモトテル)
1947(昭和22)年、兵庫県神戸市生まれ。追手門学院大学文学部卒業。広告代理店勤務等を経て、’77年「泥の河」で太宰治賞を、翌年「蛍川」で芥川賞を受賞。その後、結核のため一年ほどの療養生活を送るが、回復後、旺盛な執筆活動をすすめる。『優駿』(吉川英治文学賞)等、多くの作品がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
ずっと実家の本棚にあった本です。
結婚後、なぜか実家から持ってきた
自分の本に紛れていました。
有名な宮本輝さんですが1冊も
読んだことがありませんでしたので
良いきっかけですし読んでみました。
離婚した二人のお手紙によって
物語は進められます。
不倫が出てくる作品は好きではないので
読了後の感想は、読みたくなかったなぁという感じです。
同じ物語でも三島由紀夫さんほど美しく描いたものならば
また違った感想になるのかもしれませんが・・・。
元夫婦の手紙のやり取りによって
人生という錦繍を織りなす感じよりも
手紙の内容の、ある事件に関する不倫の方が目立ってしまいます。
どうして不倫が文学的に描かれることが多いのでしょうか。
そんなに美しいものですか?
本人たちにしてみれば禁断の恋として
スリルやときめきがあるのかも知れませんが
周りの人は嫌な思いをするだけです。
でもなんだか美しい恋のように描かれることが多くないですか。
✨恋のために試練を乗り越える✨、みたいな。
いや、そもそも
乗り越えたらダメな線ですから。
その周りの人の気持ちになってしまうので
いまいち不倫にときめきを感じられません。
源氏物語ほど昔になれば
嫌と言っても当たり前の時代でしたので
仕方ないのですがそれでも嫉妬はあります。
自分がされて嫌なことは人にもしたくないので
不倫関係の作品は読みたくないです。
芸能人のゴシップとかは放っておいて
あげれば良いのにと思いますが・・・。