生涯乙女宣言者であるひなぎくの読んだ本をご紹介★
乙女的ではない本もたくさんありますので
乙女ではない方にも楽しんでいただけると思います(•´ω`•)

キャリー/スティーブン・キング


 

 

【内容情報】(「BOOK」データベースより)
「おまえは悪魔の申し子だよ」
狂信的な母、スクールカーストの最下層…悲劇はその夜、訪れた。
巨匠キングの鮮烈なるデビュー作にして、三度の映画化を経た永遠の名作。

【著者情報】(「BOOK」データベースより)
キング,スティーヴン(King,Stephen)
1947年メイン州生れ。貧しい少年時代から恐怖小説を好む。
高校教師、ボイラーマンといった職業のかたわら執筆を続け、’74年に『キャリー』でデビュー。
好評を博し、以後『呪われた町』『デッド・ゾーン』など、次々とベストセラーを生み、
“モダンホラーの帝王”と呼ばれる。
全米図書賞特別功労賞、O・ヘンリ賞、世界幻想文学大賞、ブラム・ストーカー賞など受賞多数

永井淳(ナガイジュン)
1935-2009。秋田生れ。
埼玉大学卒業後、編集者を経て翻訳家
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 

訳が悪いのか、原文が悪いのか・・・。

わかりにくい文章が多々ありました。

 

最近の翻訳物ではこのような悪文は

あまり出会わなくなりましたが

昔は多かったのでずっと苦手意識がありました。

苦手なタイプの文章ですが

頑張って読んだ甲斐のある作品でした。

 

 

狂信的・・・というか狂っていると言っても

差支えがなさそうな母親に押し付けられるしつけは

現代にはそぐわないものばかりなので

キャリーは学校でいじめられます。

 

そして学校の友達と同じような格好を

したいと言おうものなら実の母から

悪魔だとか売女だとか罵られる・・・。

 

元々は金髪の美少女だったのに

年を経るごとにストレスからか

過食で太っていきます。

そしてまたいじめの種に・・・。

 

しかしキャリーは、そんな母を愛しています。

実際は、愛しているというよりは

愛してほしかったのではないでしょうか。

 

そんなキャリーはサイコキネシスの

持ち主でした。

自覚して、ものを動かす訓練を始めます。

 

ある日、たちの悪いいじめがきっかけになって

キャリーは暴走する。

 

 

いろんな架空の著作抜粋と

実際のストーリーが交互に展開して

全貌が明らかになるというような

実験的な小説でもあります。

 

でも読みにくさはその実験的手法のせいではありません。

 

陰惨なホラーなのですが

いじめダメ、絶対とか子どもの状況の原因は

ほぼ家庭にあるとかのメッセージ性を感じました。

 人間の本質が垣間見えます。

 

現実的に考えるとやや無理のある箇所が多々あり、

ケチをつけ始めるとキリのない作品でもあります。

でもそこは小説だからと素直に読んでいくと

世界観に入っていけるのではないかと思います。

 

どこにも逃げ場のないキャリーがとてもかわいそう・・・。

キャリーを愛してあげたい。

 

その人物の背景を知ると

このように優しい感情を抱くことができます。

 

 

しかし実際に、例えばクラスで職場で

鈍重な人物に出会ったとき、

優しい感情を抱くことが果たしてできるでしょうか。

そう考えたときに自分の偽善者っぷりに嫌気がさしました。

 

私は比較的能力が高く、どのような仕事も

苦も無く平均以上のことはできます。

そのせいか、できない人の気持ちがわかりにくいです。

 

割とせっかちな性格なので鈍重な人には

イライラしがちですし、嫌悪感を持つこともあります。

 

本当の意味で優秀な人間ではないということですね。

結局、自分1人分の能力しか持っていないのです。

もっと能力があれば必死にならなくても余裕を持って 

仕事をこなすことができるはずですから。

 

私は率先して人をいじめるタイプではありませんが

わざわざ表を切って止めに入るタイプでもありません。

見て見ぬふりというよりも、諦めが先に立つのです。

 

キャリーのシャワールーム事件を想像すると・・・。

多分私は何事もなかったかのようにサッと

シャワールームを出るでしょう。

そして先生に様子を見てもらうよう報告をするでしょう。

 

自分ひとりが動いても止まらないどころか

逆上させるのではないかと考えてしまうのです。

 

もし自分が先生の立場であったならに止めに入るでしょう。

自分に権力があれば力を行使するだけの

心はある思っています。

 

権力って何だろう。

どうしたら社会を動かせるような権力を手に入れられるのだろう。

 

政治家になっても与党野党で足の引っ張り合いをして

全然思うように社会を動かせていません。

抑止力が必要な場合もありますが、日本の政治が三流と

世界で言われている理由を考えればわかりますよね。

いつまで加計学園の話をしてるんだっていう・・・。 

 

 

 

中学卒業後は運の良いことに身の回りで

いじめらしいものには出会っていません。

今、実際に出会ったらどう対応するのかなぁ・・・。

 

いじめに加担することはまずないです。

多分、関わらないのだと思います。

 

キャリーを読むと、傍観も罪だなとは思いました。

でも実際、なんでもし放題でお咎めなしの

権力者の子どもに対して何ができるのだろう・・・。

 

話が通じそうな相手であれば

どうしてそんなことをするのか話し合うかもしれませんし

通じない相手であれば上司や先生に密告

することくらいしかできないと思います。

 

こんな時、腕力のある人間であったならば

もう少し権力にでも立ち向かえるのかなぁ。

いくら権力のある人だって、殴られたら痛いでしょう。

 

 

そもそも、どうして人をいじめるんだろう。

取り巻きを引き連れて人をいじめて

女王様気分で振舞っている人って

ものすごく頭が悪そうだし下品でかっこ悪いのに・・・。

 

小さな小さな世界なのに全世界に君臨している女王様で

あるかのような振る舞いがもう・・・。

見ていて痛々しいしだっさい。

 

弱そうな人を怒鳴り散らしている人も同じです。

とにかくダサくてニヤニヤしてしまいます。

こんなところでしか威張れないんだなぁって思います。

自分の器の小ささを主張しているようなものなので

即刻やめていただきたいです。

見ている方が恥ずかしいです。

 

嫌いなら関わらなければ良いのに

なぜわざわざ関わっていくのでしょう。

いじめに出会ったときにどうするかよりも

どうしたらいじめる人がいないようにするかを

考えた方がみんな幸せになれるのかもしれませんね。

 

いじめをする側もきっと満たされていない

幸せではない人生なのでしょうね。

だからって何をしても良いなんて法はないです。

いじめられる側には、いじめる人の不幸なんて

それこそ知ったこっちゃないのですから。

 

たまには立ち止まっていろいろと考えて

自分を振り返るのも大事だと思います。

私にとって読書はその良いきっかけになってくれます。

 

悲しいし陰惨な作品ではありますが

また読みたくなると思います。

 

 

 

発売日: 2013年09月
著者/編集: スティーヴン・キング, 永井淳
出版社: 新潮社
発行形態: 文庫
ページ数: 390p
ISBNコード: 9784102193044

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