生涯乙女宣言者であるひなぎくの読んだ本をご紹介★
乙女的ではない本もたくさんありますので
乙女ではない方にも楽しんでいただけると思います(•´ω`•)

★ネタバレあり★悪の教典/貴志祐介

Amazonの内容・あらすじ(「BOOK」データベースより)

とびきり有能な教師がサイコパスだったとしたら、

その凶行は誰が止められるのか?

 

晨光学院町田高校の英語教師、蓮実聖司は

ルックスの良さと爽やかな弁舌で生徒はもちろん、

同僚やPTAから信頼され彼らを虜にしていた。

 

そんな〝どこから見ても良い教師〟は、

実は邪魔者は躊躇いなく排除する共感性欠如の殺人鬼だった。

 

少年期、両親から始まり、周囲の人間をたいした理由もなく

次々と殺害してきたサイコパス。

美形の女生徒をひそかに情婦とし、同僚の弱みを握って脅迫し、

〝モリタート〟の口笛を吹きながら、

放火に殺人にと犯行を重ねてゆく。

 

社会から隔絶され、性善説に基づくシステムである学校に、

サイコパスが紛れこんだとき――。

ピカレスクロマンの輝きを秘めた戦慄のサイコホラー傑作長編。



 

旦那が貴志祐介さんのファンなので

おうちには図書館のように本がそろっています。

 

ストーリーは面白く、するすると読み進められました。

前半は主人公・蓮実が、いかに魅力的に映るかが描かれ

後半は凄惨な殺戮シーン。

 

内容が薄っぺらいという感想も多いようですが面白いですよ。

確かにストーリー自体にはさほど厚みは感じられません。

いろんなものが投げっぱなしにされていますし・・・。

なのでもう少し掘り下げてほしい部分もありましたが

それはスピンオフに当たるかもしれない部分です。

 

全部を描かない村上春樹さんに比べれば

全てが語られていると言っても良いほどには

しっかりと描かれていると思います。

 

筆者のメッセージはラストにあると感じました。

警察と蓮見のやりとり、そして

喫茶店の客とマスタ-の会話に集約されているように思います。

罪を裁くことの難しさです。

 

いかにひどい事件を犯しても、どんなに怪しくても、

証拠がなければ立証が難しく逮捕ができない。

 

いかにむごい殺し方をしても精神に異常が認められて

責任能力がないとされれば死刑にはならない。

 

作中の警察等は誇張されているとは思いますが

恐ろしいことにこれは私たちの現実社会と同じです。

 

 

ここまでやったら絶対捕まるじゃんと思いつつ

読み進めましたが、犯行がばれないことではなくて

本当に恐ろしいのは終わらないことだと気づきました。

 

作品と違って、人生は犯人が捕まって終わりではありません。

死刑にならなければ脱獄するチャンスがあります。

20年以上前に起こった地下鉄サリン事件の

麻原だってまだ生きているのですよ。

 

 

精神鑑定について、私はずっと疑問を持っていました。

殺人を犯すような精神疾患がある場合こそ

危険なので死刑にすべきだという考えです。

責任能力の有無は関係ないと思います。

子どもの場合は成長して責任能力が芽生えるかもしれませんが

それも10歳くらいまでの話だと思います。

 

人を殺すこと自体、正常な精神状態でできるとは考えにくいです。

それなのに精神鑑定なんて・・・意味があるのでしょうか。

 

私財をなげうって、一生をかけて更生させてみせると

いう人物が現れるのであれば託せば良いと思いますが

その犯人の更生と生存と未来のために

被害者遺族も含めた国民の税金を使うことに納得がいきません。

 

被害者の未来はもうないのに。

生き残った場合でも、犯人が生きている間はずっと

また殺しに来るかもしれないとおびえなくてはいけないのに。

 

作品の話に戻りますが、これだけむごい事件を起こした

犯人が蓮見だと分かった上で、まだ死刑になるか

どうかわからない状態というもどかしさと恐怖。

それが私たちの生きている現実のシステムであるという恐怖。

 

 

そういう意味では最高の恐怖を描くサスペンスだと思います。

かなりのページ数がありますが、

ページを繰る手が止まらず一気に読んでしまいました。

 

 

ちなみに私の中の蓮見は玉木宏さんでしたが

映画版の蓮見は伊藤英明さんでした。

伊藤英明さんも良いキャスティングだと思います(•´ω`•)

爽やかで真面目そうで筋肉もあって。

 

映画版を観たい気もしますが、グロい内容なのでやめておきます。

 

 

 

 

 

 
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