以前、三島由紀夫さんが「フランス文学講座」で
オススメなさっていたレイモン・ラディゲの
「ドルジェル伯の舞踏会」を読んで気に入ったので
同じ作者の「肉体の悪魔」も読んでみました。
◆あらすじ◆
15歳の「僕」が主人公。
19歳のマルトに惹かれるが、
彼女には既に婚約者がいた。
マルトが結婚したので諦めかけたが、
徐々にマルトの方でも主人公を意識し始めて
互いに強く惹かれていく。
マルトの夫が戦争のため不在になると
とうとう二人は逢瀬を重ねるようになる。
少年と、決まった相手のある年上女性との
禁じられた恋の物語という点で
三島由紀夫さんの「春の雪」を連想します。
しかも両作品とも現代の不倫とは事情が違い、
見つかれば大ごとになるような大事件です。
(肉体の悪魔は奥手な時代背景から、
春の雪では相手が皇族)
そして、少年の子供っぽく暴力的な
ワガママや優柔不断さにイラッとさせられる
ところも共通しています。
そういえば映画のムーラン・ルージュもそうです。
どの作品も題材や内容は
そんなに好きではないのにも関わらず
なぜか大好きなのです。
ムーラン・ルージュは衣装や音楽も大好き💗
ともあれ、前作品と同じく美しい文章と
情景を描くラデュゲの技量に驚かされます。
これが当時20歳の作品とは・・・。
翻訳の妙もあるのでしょうけれども、もの凄い。
私もこんな風に素晴らしい作品を
組み立てるような翻訳家になりたいなぁ✨
まだ翻訳家ですらないけど。
フランス語も文章を書くのも好きなので
向いているはずっ。
絶対に翻訳家になるっ o(*゚▽゚*)o
三島由紀夫さんもこの作品の美しさに感動して
同じような作品を書いてみたいと思ったのかなぁ。
三島由紀夫さんの世界観と
ラデュゲの世界観は似ている部分があります。
三島由紀夫さんの作品がお好きな方には
お気に召すのではないかと思います💕
美しい美しいひたすら美しい世界に
どっぷりと浸れる時間・・・。
素晴らしい読書時間を過ごせました(*´ェ`*)ホゥ・・・
私は耽美主義文学が好きなようです。
次回読みたくなったら購入しようと
思うくらい気に入りました(*´艸`*)💗
(今回は図書館でお借りしました)
肉体の悪魔改版 (新潮文庫) [ レーモン・ラディゲ ] |